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【主張】学力テスト縮小 不安な日教組寄りの転換

2009.10.16 03:15
このニュースのトピックス主張

 川端達夫文部科学相は来年度から全員参加の全国学力テストをやめ、抽出方式にすることを決めた。復活してまだ3年目で、成績上位の自治体、学校に学ぶなど効果が出始めたばかりだ。廃止は早計である。

 代わりに教科や対象学年を広げるというが、抽出方式の学力調査はこれまでも行われている。専門家も指摘するように抽出方式では参加しない学校、児童生徒は課題が分からず、意欲も削(そ)がれる。学力向上策として不十分だ。

 全国学力テストは昭和30年代に日本教職員組合(日教組)が、教師の勤務評定とともに激しい反対運動を展開し、中止された。このときも抽出方式に縮小され、全国レベルで自分の成績を把握する手段がなくなった。失敗を繰り返してはならない。

 ゆとり教育で学力低下が批判され、自治体独自に学力テストを行うケースが増えていた。首長の中からも全国学力テスト存続を求める要望が出ている。

 川端文科相は抽出方式にする理由として「成績を上げることだけを競争するやり方には意味がない」とも言った。学力向上に競争は必要で、この発言も疑問だ。

 先ごろ、鳥取地裁は市町村・学校別成績の開示を認めた判決で「序列化などの問題は生じておらず、開示しても過度な競争の恐れは乏しい」と判断した。

 政府の規制改革会議の調査では、保護者の約7割が学校別の成績公表を望んでいる。過度の競争が起こるというのは杞憂(きゆう)で、成績が悪いと批判されるのを恐れる教師や学校の言い訳にすぎないのではないか。全国学力テスト復活後、秋田と沖縄の教員交流が始まり、大阪では知事の号令によって学力向上に取り組んでいる。こうした競争を歓迎したい。

 民主党政権の教育施策は、ほかにも教員免許更新制を廃止するなど日教組の主張に沿ったものになりつつある。競争や評価を嫌うのは教育改革の妨げだ。

 教師にはいま、子供の意欲を引き出す豊かな人間性や洞察力が求められている。10年ごとの免許更新制は独りよがりの授業をしていないか、ベテラン教師も指導法を見直す機会として有効だ。

 教員養成課程6年制については、教育関係者からも反対がある。大学院を無駄に増やし、頭でっかちの教師ばかりつくることになるのではないか。

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