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【主張】免許更新制「廃止」 教育改革後退を憂慮する
民主党の輿石東(こしいし・あずま)参院議員会長兼代表代行が教員免許更新制の廃止に向け、改正案を来年の通常国会にも提出する考えを示した。
更新制は、教育に最も重要な教師の指導力向上を目的として今春、導入されたばかりだ。これに水をさす輿石氏の発言は問題で、教育改革を後退させてはならない。
更新制度では、10年ごとに指導法や最新の教育課題について30時間(5日間)以上の講習を受ける。そして模擬授業など実技を含めた試験により、5段階で評価される。60点未満だと不合格になり、2年以内の再講習で合格しないと免許が失効する。
これに対し、日本教職員組合(日教組)などは「教員の負担が増える」と制度導入に反対してきた。日教組出身の輿石氏は、総選挙前から「政府は先生の身分にまで口を出す必要はない」などと繰り返していた。今回は、平成23年度から免許更新制を廃止することに「間に合えばそうする」と、さらに踏み込んだ発言をした。
民主党はマニフェスト(政権公約)で、教員免許制度を「抜本的に見直す」としてきた。教員養成課程を6年制にするほか、教員の増員を強調している。教師の待遇や地位向上などを訴える日教組の主張に沿ったものだ。
だが教員養成課程を6年制に延ばしても、教師の質が良くなるかどうか疑問である。実際、大学の教育学部、大学院の教育内容そのものが理論に偏り、実践的でないなど課題が多い。
高倍率の試験を経て採用されても、保護者や子供とうまくコミュニケーションの取れない教師が目立つ。教育委員会によっては教師養成塾などをつくり、育成に苦心している。
また教師は自分の授業を客観的に評価される機会が極めて少ない。ベテランがマンネリ化し、学級崩壊を招くケースも報告されている。指導法を見直す機会としても、更新制は意味が大きい。
輿石氏は過去にも「教員の政治的中立はありえない」などと耳を疑う発言をした。だが政権が代わったからといって、教育の重要施策が特定団体の意向などでねじ曲げられることは許されない。
家庭や地域の教育力低下が懸念される中、公教育再生のカギを握るのは教師だ。適切に評価し、鍛える更新制を機能させねばダメな教師が増えるばかりだ。