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【元気のでる歴史人物講座】(7)勝海舟 青年時の困窮にも屈せず

2009.2.18 08:47

 幕末が生んだ一世の巨人・勝海舟は最下級の幕臣で、青年時、困窮生活を送った。だが海舟はこの境遇に屈せず文武両道に努めた。

 江戸随一の荒修業で有名だった島田虎之助の下で10年間剣道に励み、21の時、免許皆伝を受けた。これが海舟の人物を鍛え上げた。海舟は単に頭だけの秀才ではなく気力と胆力を十分に備えていた。

 そのあとが10年間の蘭学修業である。これまたすさまじい勉学であった。蘭学には「ヅーフハルマ」と呼ばれた蘭和辞典が必須だが60両もしてとても買えない。海舟は1年間10両の損料で借り、昼夜をおかず2部筆写し、1部を売りそれで損料を払った。

 その頃、海舟は貧窮のどん底にあった。薪を買う金がないから天井など燃やせるものは皆はがして炊事をした。まことに驚嘆すべき根気と努力であった。写し終わって巻末にこう記している。

 「弘化4(1847)年秋業につきて翌仲秋二日終業、予(よ)この時貧(ひん)骨(ほね)に到り、夏夜蚊帳(かや)なく冬衾(ふすま)(布団)なし。唯日夜机によって眠る。しかのみならず大母病床にあり、諸妹幼弱事を解せず。自ら椽(たるき)を破り柱を割って炊ぐ。困難ここに到り又感激を生ず」

 貧窮困難は決して人間を駄目にしない。艱難(かんなん)辛苦が偉大な人間をつくるという見本である。「困難ここに到り又感激を生ず」。肺腑(はいふ)の底から吐かれた真男子の一言である。(日本政策研究センター主任研究員 岡田幹彦)

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