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【大人のなり方】慣用句の誤用 覚える前に確認してみよう

2009.1.13 08:00
イラスト・かけひろみイラスト・かけひろみ

 社員研修のプレゼンテーションや3分間スピーチの中で使われた慣用句の誤用を取り上げよう。次の表現にはどのような誤りがあるだろうか。

 (1)不測の事態を予想し、万全の準備をしました

 (2)役不足ですが司会をさせていただきます

 (3)出がけに思いがけないハプニングがありました

 (1)の「不測」は予測できないことである。予想できなければ、準備もできない。したがって、この場合は「あらゆる事態を予想して…」、というべきだ。「不測の事態」を使うのであれば、「不測の事態に備え、万全の対策をとり…」とすべきだろう。

 (2)は「役不足」の意味を取り違えている。「役不足」は、役目が実力に照らして不相応に軽いこと。司会の役目は自分の力量からすれば、物足りないと言っていることになる。皮肉としてならこの言い方もできるが、明らかに「力不足」のいい間違いであろう。謙遜(けんそん)したつもりが、傲慢(ごうまん)になってしまった。

 (3)は「馬から落ちて落馬して」のように、同じような意味の語を重ねて使ってしまっている。「ハプニング」は、思いがけない出来事、偶然の出来事を指す言葉だから「思いがけない」は不要。必ずしも間違いとはいえないかもしれないが、冗長な表現だ。

 慣用句を含む表現は、間違ったまま覚え、使っていることがある。誤りの多い例によく取り上げられる、「流れに棹(さお)さす」や「情けは人の為(ため)ならず」がどのような意味であるか、この機会に確かめてほしい。(日本監督士協会常任理事 佐藤方俊)

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