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【見つけた! みんなが輝く教育】ニーズ共有し「落ちこぼし」を生まない

2009.1.6 08:16

 1年ほど前、ある自治体の小中学校を5校取材しました。授業中にじっと座っていられない子や対人関係にトラブルを抱えた子、勉強に難のある子が多数いて、学校側はお手上げ状態でした。

 そういう教師からみて、問題行動を取る子だけを教育的ニーズがある子ととらえ、補助員をつけたり、別室で個別に指導したりするのか。それとも教育的ニーズはすべての子供にあると考え、学校・学級経営を見直して落ちこぼし(「落ちこぼれ」を、十分な支援がなかったことによる教師側の問題としてとらえた言葉)を作らない授業を模索するのか。不登校児童生徒の数も少なくない、その自治体は迷っていました。

 先日、それらの学校を1年ぶりに再訪したところ、関係者らは「すべての子供の教育的ニーズに応える」と一致団結。学力がある子はさらに伸ばしつつ、落ちこぼしを生まないよう特別支援教育的な視点、つまり認知や学習スタイルの多様性を踏まえたうえでの複数教師による少人数指導や放課後学習などを導入していました。「子供のニーズを教師全員で共有し、何でも話し合える環境が整った。子供に活気が出て、不登校児童生徒も減り始めている」と教育委員会は期待します。

 実は、同時期に隣の自治体の学校も取材したのです。

 こちらは「勝ち組の子を育てる」と学力向上を掲げて習熟度別授業などを導入。冒頭のような子供たちは厄介者扱いで、学習が遅れ気味だと「努力不足」「うちのクラスの子じゃない」と担任から責められる。子供本人によると「クラス平均の足を引っ張っているからウザがられている」。保護者に経済的余裕があり教育熱心な場合は塾に通わせますが、そうでなければ子供は落ちこぼれたまま…。

 取材するたび、私はいつも同じ疑問にぶつかります。義務教育の機会は本当にすべての子供に保障されているのか、子供たちが将来自立する権利や社会に参加する権利は侵害されていないのかと。(教育ジャーナリスト 品川裕香)

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