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【主張】教科書検定 事後公開が信頼性高める

2008.12.6 02:33
このニュースのトピックス慰安婦問題

 教科書検定の過程を検定終了後に公表する改善案が文部科学省から示された。公表されるのは、教科書調査官の調査意見書や検定審議会の議事概要などだ。検定の透明性と信頼性を高めるためのおおむね妥当な改善内容である。

 これまでは検定前の記述と検定意見、検定後の記述だけが発表され、調査官がどんな意見を付け、それが審議会でどう議論されたかは詳しく分からなかった。

 このため、国民の知らないところで、中国や韓国の意向を受けた外務省サイドが検定に圧力を加えるケースがあった。いわゆる「新編日本史・外圧検定事件」(昭和61年)や元外交官の検定審議会委員による「検定不合格工作事件」(平成12年)である。

 これからは、事後ではあるが、検定経過が一定程度、公表されることにより、外務省もそのような干渉はしにくくなるはずだ。

 現行の検定済み教科書を開いてみると、学問的には破綻(はたん)した慰安婦“強制連行”説をあたかも真実であるかのように記述している例が、いくつも見られる。南京事件の犠牲者数について、中国当局発表の「30万人」をも上回る「40万人」とする記述が検定をパスしたこともある。

 検定経過が事後公開されるようになれば、教科書調査官や検定審議会委員は国民の目を意識し、より緊張感をもって検定業務や審議に臨むことが求められる。

 審議会の審議そのものを原則公開すべきだという意見もあるが、行き過ぎだろう。検定審議会の審議は、外部の意見や先入観にとらわれず、静かな環境で公正に行われるべきものだ。審議対象となる申請図書に出版社名や著者名が書かれず、「白表紙本」と呼ばれているのも、そのためである。やはり事後公開が望ましい。

 検定の中身がほとんど公開されていなかった当時、旧文部省記者クラブの各紙・各テレビ局の記者は膨大な量の教科書を分担して取材した。そのうちの一社の記者が得た、検定で日本の中国「侵略」が「進出」に変わったという誤った情報を全社が一斉に報じた。これが外交問題に発展した。

 昭和57年の教科書誤報事件である。検定の中身が少しずつ公開されるようになったのは、それからだ。文科省の検定担当者やマスコミは常に、この苦い経験を頭に入れておく必要があろう。

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