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【教育動向】学校の統廃合、文科省も推進検討に着手
文部科学省は、公立小・中学校の統廃合を推進するため、学校の規模の見直しなどを中央教育審議会に検討してもらうことを決めました。中教審では、近く作業部会を設けて審議を開始し、来年夏ごろまでに学校統廃合のための具体的方策などをまとめる予定です。
公立小・中学校の規模は、学校教育法施行規則などで「12〜18学級」が標準規模とされています。しかし、少子化の進行により児童・生徒数が急減しているにもかかわらず、学校数はあまり大きく減少していません。このため現在では、標準規模に満たない学校が公立小学校で約5割、公立中学校では約6割を占めています。
学校規模が小さいと、子ども一人ひとりに目が行き届きていねいな指導を行える半面、クラス替えなどができないことから子ども同士の関係が固定化し、何か問題が起きるとこじれやすいという面があります。また、運動会などの行事や部活動なども停滞しがちで、小規模校の子どもは優しいけれども積極性に欠けるなどの指摘もあります。
ただ、実際の問題として学校統廃合は、地域の実情により大きな困難を伴うことが多く、そう簡単なことではありません。子どもの通学が不便になることはもとより、安全の確保、母校がなくなることに対する保護者や住民の反発など、問題は山積しています。統廃合を進めたいが、反対が強くてできないという市町村教育委員会も少なくありません。文科省が学校規模などの見直しに着手した背景には、このような市町村教委の学校統廃合を後押しするねらいがあると思われます。
また、学校統廃合を後押しせざるを得ない別の事情も、文科省にはあります。財務省の財政制度等審議会は、昨年6月の「2008(平成20)年度予算編成の基本的な考え方について」の中で公立小・中学校の統廃合を積極的に進めるよう文科省に求めています。財務省の調査では、2005(平成17)年度に527校が221校に統廃合された結果、年間170億円の財政削減につながったという試算結果もあります。国の財政事情が悪化するなかで、文科省も何らかの手を打たなければならない立場に追い込まれているわけです。
さらに、以前の記事で指摘したように、一部の地方自治体には校舎の耐震化を進めようとしても、統廃合問題が決着しないためにストップしているケースもあります。
つまり、財務省による財政削減の圧力と、校舎の耐震化による児童・生徒の安全確保という二つの理由から、文科省は、市町村の学校統廃合を後押しすることを迫られている、というわけです。
ただ、どんなに子どもが少なくても学校を用意するということも、義務教育における国と地方自治体の責務であるとも言えます。大事なのは「大人の事情」ではなく、「子どもの教育」なのです。
(提供:Benesse教育情報サイト)