ニュース: 生活 RSS feed
【公教育を問う】第6部 教員採用汚職(上) 実態あやふや 見えぬ「基準」 不信感を増幅 (1/2ページ)
「私は発表の前の日、採用者リストにハンコを押すだけだった。まさかすべて密室で点数操作をしていたなんて思ってもいなかった」。
教員採用をめぐる汚職事件について、大分県の前教育長、深田秀生氏(61)=現大分県信用保証協会会長=は、苦い顔をするように言った。
このとき、採用者リストを持ってきたのは当時、県教育委員会事務局ナンバー2の教育審議監の二宮政人容疑者(61)=収賄容疑で逮捕=だった。
「専門的知識をもち、実践的指導力のある人…」。大分県教委の教員採用試験の実施要項には、同県が求める教師像が掲げられている。だが事件では口利きのあった受験者の点数水増しだけでなく、合格点にあった受験者を減点までした密室工作の疑いが次々指摘されている。
▽ ▽ ▽
19、20の両日行われた大分県の教員採用1次試験。会場には警備員も配置され、すでに教壇で子供たちに教えている臨時採用の講師らの姿も目立った。
同県日田市の臨時講師(32)は「同じような点数の友人は合格したこともある。点数は何なのだろうと思ったことがあった」という。また3回目の受験という別の小学校の臨時講師(31)は「親から(コネを紹介すると)話があったが、そんな手段を使いたくないと断った」と複雑な表情だ。
別の県の元校長は「指導力のある有望な臨時講師がいれば、採用試験で“推薦”できる制度や現場の校長らが強く推すケースは聞いたことがあるが、大分の事件は能力のある受験者を減点するなど信じがたい」とあきれ顔だ。
教員採用への不信は、大分だけの話ではない。
千葉県の60代の元教員は「自分が採用されたとき、お礼に関係者へ金を持っていった。世話になった人にいわれた」と打ち明ける。
また埼玉県の40代の教員も「コネがきくのは(面接が中心の)2次試験から。筆記試験中心の1次試験だけは通るようしっかり勉強しておけと親にいわれた」という。