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【集う】「拉孟(らもう)に散った花 ひとり語りの会」(6月22日・東京都江東区のモラロジー研究所東京講堂)
日の丸の前に置かれたイスが2つ。語り手の桜林美佐さん(38)は、イスに交互に座り、ときには守備隊の兵士、ときには慰安婦、ときには現代のテレビ局員…。役柄を変えながら、静かに話を進めていく。「ひとり語り」のスタイルだ。
拉孟は中国・雲南省にあるビルマ(現ミャンマー)寄りの村。先の大戦では総勢5万人ともいわれる敵方(中国・国民党軍、米軍)に対し、わずか1300人の日本の守備隊が100日間あまりにわたって守り抜き、玉砕。その勇猛さは、敵将をして「これだけ雄々しく、美しく戦った軍隊はない」と言わしめた。
だが「ひとり語り」の主役は兵士ではない。戦場で兵士と“かりそめの夫婦”となり、「お国のために私たちも役に立ちたい」と、看護役などとしてともに戦って亡くなった慰安婦たち。いよいよ最期のときを迎えた彼女たちは、朝鮮半島出身者の女性だけを、そっと逃したとも伝えられている。
桜林さんの世代の女性が慰安婦について語るのは珍しい。物語をつくたったきっかけは、慰安婦について多くのメディアで事実無根の報道がなされ、果ては米下院で非難決議が可決されたことだった。「あまりに一方的な主張ばかりが伝えられている。慰安婦にもこんな人たちがいたことを知ってほしかったのです」
この日の会は、正しい歴史認識を持つべく活動をしている「日本を考えるMC東京会・歴史部会」の主催。同会の歴史部会長を務め、昨年6月に87歳で亡くなった秦野導儀(みちよし)さんの追悼講演として行われた。司会を務めた谷山良太・同会町田支部長は、「歴史部会長をしのぶにふさわしい。年配の女性に共感を覚えた方が多かったようです」。
次回作として準備中なのは戦後、日本近海で秘密裏に活動した機雷の掃海部隊の話。平成の“歴史の語り部”の活躍に期待したい。 (喜多由浩)

