ニュース: 生活 RSS feed
学校でもアレルギー疾患対応 文科省が指針作成
以前に本欄でも取り上げましたが、文部科学省の調査結果によると、現代の子どもたちの1割程度に、ぜん息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患があります。症状が重い場合には死に至る危険性もあり、保護者のかたにとっても、目が届かない学校での時間は、心配が尽きないことでしょう。このため同省はこのほど、教職員を対象にした「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」を作成し、全国の幼稚園から高校まですべての学校に配布しました。
調査結果を見ると、ほとんどの学校はアレルギー疾患のある子どもの実態把握を行っています。しかし、具体的な「緊急時の対応」などを決めている学校は、疾患の割合が高いぜん息の場合でも58%に過ぎません。特に食物アレルギーの一つである「アナフィラキシー」は、対応を誤ると死につながりかねない疾患ですが、「緊急時の対応」に取り組んでいる学校は52%でした。アレルギー疾患自体に対する教員の理解も十分に進んでいるとは言えないのが実情で、「対応を間違えば生命の危機さえ招きかねないという認識が薄い」と指摘する専門家もいます。
ガイドラインの特徴は、これまで心臓疾患や腎臓疾患など厳密な健康管理を要する子ども向けに作成されていた「学校生活管理指導表」のアレルギー版を作成するよう、学校に求めていることです。ご家庭には入学時の健康診断の際、申告すれば配られますので、どんなアレルギーがあり、どのような対応をとる必要があるのかなどを、子どもの主治医の先生に記入してもらい、学校に提出するのです。学校では、それをもとに教職員が日常生活の配慮を行う、という仕組みです。
具体的には、気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、食物アレルギー・アナフィラキシー、アレルギー性鼻炎の五つの疾患について、学校給食や体育・スポーツ活動などの場面でどんな配慮が必要かを、教職員が確認しながら指導することになっています。文科省は、これらによって医学的知識の乏しい教職員でもアレルギー疾患の子どもに適切な対応を取ることができるようになると説明しています。
また、ガイドラインでは先の五つの疾患を中心に、日常的な配慮事項なども示しています。
だからといって、アレルギー疾患のある子どもを完全に学校に任せられる、というものではありません。ガイドラインも、学校・保護者・主治医の三者が「学校生活管理指導表」によって情報を共有し、それぞれが連携することの重要性を強調しています。このため、教職員・保護者・主治医のそれぞれに向けた「学校生活管理指導表活用のしおり」も、あわせて配布されることになっています。
子どもを守る第一義的な責任は保護者にあるということを忘れず、学校や主治医と連携していくことが大切でしょう。
<参考URL>
(提供:Benesse教育情報サイト)