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【見つけた! みんなが輝く教育】欧米でも遅れる対応
4月13日から16日まで、カナダで開かれた「ディスレクシア(読み書きの学習障害)世界会議2008」。筆者を唸(うな)らせたのは、各国の学者や行政担当者、弁護士らの怒りとも悲鳴とも取れる話でした。
会議には、アンジェラ・フォーセット氏やヘレン・アーレン氏らディスレクシア研究を牽引(けんいん)する世界的な教育学、脳科学、小児神経学、心理学などの研究者から行政担当者、弁護士、教師まで多彩な専門家がカナダ、米国、イギリス、ポーランドなどから参加していました。
学者たちが強く訴えたのは(1)効果的だと科学的に証明された指導方法があるにもかかわらず、公立学校ではなかなか行われていない(2)特別支援教育の対象となる子供の要件が法律で厳密に決まっているため、明確な診断がつかなければ支援が受けられず早期介入できない−という点でした。
これらは、いずれも「日本の教育の課題」として、筆者が委員を務めた教育再生会議で繰り返し主張したことなので、違和感はありません。ただ、平成10年ごろから英語圏でディスレクシアやADHD(注意欠陥・多動性障害)などの取材をしてきた身には、「あれだけ研究も啓蒙(けいもう)も進んでいるのに」との思いがありました。
学者たちの分析はいろいろ。例えば、一般の教師はそういった指導は自分の専門外と考えがちで興味を持ちにくい▽自治体の予算が乏しいため、対象児の数に見合うだけの専門教師を雇えない▽乳幼児の段階で「言葉の意味理解が弱い?」「視覚や聴覚情報の処理が悪い?」などと気になっても、その段階ではなかなか診断に直結しないため「様子を見よう」となる−などさまざまでした。
なぜ、問題にするかって? それは、ディスレクシアなど発達的な課題の発見が遅れると適切な指導を受ける機会がどんどん奪われ、知識の吸収やテストなど評価の面で不利益を被るから。その結果、本来持っている能力を発揮しにくく、社会的にも排除されやすくなるからです。
(教育ジャーナリスト 品川裕香)