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親子の脳内活発化 「読み聞かせ効果」科学的にも実証 (2/2ページ)

2008.5.6 08:38
このニュースのトピックス学校教育
読み聞かせ中の脳の働きを調べる実験(泰羅雅登・日本大学大学院総合科学研究科教授提供)読み聞かせ中の脳の働きを調べる実験(泰羅雅登・日本大学大学院総合科学研究科教授提供)

 研究チームは当初、思考や創造力、コミュニケーション、感情のコントロールといった機能をつかさどる「前頭(ぜんとう)前野(ぜんや)」が、親子ともに活発に働くのではないかと仮説を立てていた。ところが、計測の結果、子供の前頭前野は、計算をさせると、これまで言われているように活発に活動したが、本を読んでもらっているときには活動していないことが判明した。

 これに対し、読み聞かせ中に前頭前野が活発に働いていたのは母親。1人で音読をしているときよりも子供を相手に読んでいるときの方が活動がより活発で、前頭前野の中でも特にコミュニケーションをとっているときによく活動する部分が働いていることも分かった。

 次に、読み聞かせ中の子供の脳はどうなっているかを詳細に調べるため、NIRSでは分からない部分の測定が可能なfMRI(機能的磁気共鳴画像法)という装置で、3人の子供の脳の活動を測定した。その結果、脳内の「大脳辺縁系」と呼ばれる部分が働いていることが分かった。

 大脳辺縁系は喜怒哀楽を生み出し、その感情に基づいて基本的な行動を決めている部分場所。泰羅教授はこの場所を「心の脳」と呼び、「健やかに育っていくためには大脳辺縁系がよい働きかけを受け、情動が豊かになることが大切」という。

 読み聞かせ中の子供を観察すると、笑ったり、真剣なまなざしになったり、読んでいる親の顔をのぞいたりと、表情が非常に豊かだ。「子供は読み聞かせを通じて、豊かな感情、情動がわき上がっているのだろう。脳は使うことで発達する。読み聞かせは、結果として子供の豊かな感情を養い、『心の脳』が育つために役立っているのだろう」と泰羅教授は分析する。

 一方、親にとって読み聞かせは、子供と親密なコミュニケーションをとる手段の一つ。泰羅教授は「子供も大人も、ともに楽しめることが読み聞かせの良さ。親が子供の表情を見ながら、そして気持ちを考えながら話す言葉には、大きな力があるのだと思う。読み聞かせは親子の絆をつくる良い機会となるでしょう」とアドバイスしている。

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読み聞かせ中の脳の働きを調べる実験(泰羅雅登・日本大学大学院総合科学研究科教授提供)
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