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【教え育てる】青山学院初等部長 飛田浩昭 (1/2ページ)
■通信簿なくし、自ら学ぶ習慣をはぐくむ
「えっ、通信簿がない!」
外部の方によく驚かれますが、青山学院初等部が通信簿を廃止して今年で36年になります。1972年、当時は相対評価が教育界の標準でしたが、「児童の成績分布が、統計学の正規分布のようにうまくいくのかな」という先生方の素朴な疑問が契機でした。
通信簿が相対評価による学期ごとの個々の児童の“決算書”であるとすれば、私たちが採用したのは日常評価による「成長の記録」です。
その基本は「プラン・ドゥ・シー」−計画を立て、実行し、結果を見て考えよう−という考え方です。具体的にはA=今学期にできるようになったこと、B=まだ努力が必要なこと、C=それができるようになるにはどうしたらいいかの計画を立てさせて、一人一人の児童にぴったりの、いわば“成長のらせん階段”をつくること。
このらせん階段を一歩一歩昇っていく過程が「成長の記録」なのですが、そこで私たちが大切にしているのが、児童と担任に保護者を加えた三者面談です。「成長の記録」を前に、ときにほめたり、励ましたりしながら、3人で次の課題を話し合います。そして結論が出ると、担任が「これは約束だよ」「お母さんも支えてやってくださいね」。この話し合いがとてもいい効果を生むのです。
通信簿のほかに青山学院初等部に「ない」もの。それはランドセルです。廃止は通信簿より早い1965年。日々の学習内容はその日のうちに完結させるという理念が背景にあります。宿題も基本的にはありません。教科書もノートも自分のロッカーにしまって帰宅します。
しかし、私たちは「自宅では勉強しなくていい」と考えているわけではありません。押し付けの宿題はなくても、漢字や計算の反復練習や日記書きなどさまざまなテーマを与えて、児童が自分から毎日机に向かうよう、保護者と協力し合って環境を整えます。

