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【解答乱麻】品川女子学院校長・漆紫穂子 ネットから子供守れ (1/2ページ)
未成年者の有害携帯サイト利用を制限するフィルタリング義務化が議論を呼ぶなか、さらに広範囲にインターネット規制を行う法案が、自民、民主両党で審議されている。5月の連休明けにも議員立法として提出される可能性が高い。
両党の案に目を通した。「子供を守る」という趣旨は理解できるが、有害情報の定義のあいまいさ、18歳未満という広範な年齢設定などに、実効性のある運用ができるのか疑問が残る。
確かに、ネット世界の急速な拡大に伴い、子供を守る法整備は急務である。しかし、学校現場から見ると、最も優先順位が高いのは「発信者への規制」である。そこを後回しにしてフィルタリングを義務化するというのは、猛獣を野放しにして子供をシェルターに入れるようなものである。
ネット犯罪の急増に法整備や使用者の教育が追いつかない現状で、緊急避難的にフィルタリングを使うことはやむを得ないかもしれない。しかし、それですべてが解決されると錯覚してはならないのである。
法案作成に際しては、選挙がらみの拙速な動きを避け、問題の根本を見極める慎重な検討が望まれる。
法案の中には教育の必要性も取り上げられていたが、指導要領では教科「情報」は高校1年で始まる。
私の学校では、中1でネットの被害事例、掲示板での情報操作、加害者にならないための法律知識などを学習しているが、実際はそれ以前にネットデビューしている生徒が大半である。
小学校へのネットリテラシー教育導入が急がれる。専門教員の補充が間に合わなければ、ネット関連企業、社会人ボランティアの協力を得ることも考えられる。
さて、フィルタリング導入に際し、もっとも重要な役割を担わなければならないのは「解除」の選択肢を持つ保護者である。
子供の生活全般における優先順位を考え「今、うちの子にネット利用は必要か」という原点に立ち戻った上で、わが子の年齢、判断力、ネットリテラシーのレベルにより、個々に判断することになるだろう。