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【新国語断想】塩原経央 配当表存続の弊 漢字が言語力育成の鍵 (1/2ページ)
日本教育技術学会が全国の小中学生約3万8000人を対象に実施した「学習漢字習得状況」の報告(平成19年5月)で、一つを「人つ」と書き、八つを「ハチつ」と読む子供たちの主な誤答例が紹介され、愕然(がくぜん)とした向きが多かったことと思う。
なぜこんな誤答が現れるのか。言葉を表す符号である漢字を単に音声を表す符号と錯覚させる教え方がなされているからだ。それは次のような誤答例で明らかである。田んぼを「立んぼ」、立つを「田つ」、話すを「花す」、市場を「一場」、反対を「半対」…。「人つ」「ハチつ」と同じ構造だ。
音であれ訓であれ同じ音声なら共通に使えると思い込んでいる。字義を考えずに漢字を仮名並みに用いて疑問を抱かないのである。
それは交ぜ書きの恐るべき弊害で、「ちょう戦」「だん落」のような書き方をすると挑戦が“戦いを挑む”意であり、段落が“件(くだり)の切れ目”であるという概念から離れて、チョウやダンだけでなく、戦も落もセン、ラクという音声符号に変じてしまうのだ。