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【主張】「日本史」必修 歴史が好きになる教育を
神奈川県教育委員会が、県立高校で「日本史」を必修科目にする。国や郷土の歴史を学ぶ重要性は高まっており、県教委の独自の試みを評価したい。
学習指導要領では平成元年改定で高校は世界史が必修になった。日本史、地理はどちらかを履修すればいい。小中学校の歴史が日本史中心で、高校では国際化に対応し、世界の歴史を広く学ばせようというねらいからだ。
だが自国の歴史を学ぶ日本史が必修でないことには異論があった。神奈川県では約3割の高校生が日本史を学ばずに卒業するという。
指導要領改定で中央教育審議会の論議のなかでも、世界史派、日本史派のほか、世界史・日本史を組み合わせた「総合歴史」のような新科目が必要だとの提案もでた。
しかし中教審は今回の指導要領改定の答申で日本史必修化は見送ったため、神奈川県教委は平成25年度をめどに世界史必修に加え、日本史か、県の郷土史などの新科目を必修にする。
同県の松沢成文知事が「しっかりした日本人、国際人の育成に日本史は不可欠」というように、国際化のなかでこそ国の歴史や文化を学び、日本人として自覚をはぐくむ教育が求められている。外国人との交流で自国について聞かれても情報発信できない事態は残念なことだ。
必修増が生徒の負担増につながるとの意見に対し、文部科学相経験者の町村信孝官房長官は「負担が増えずに学力は向上しない。社会人の基礎を身につけさせるという県の判断であれば尊重すべきだ」とも述べている。
日本史必修でもっとも懸念されるのは指導内容だ。近現代史を中心に、ことさら日本を悪者にする自虐史観や教師が歴史観を押しつけるような授業がある。歴史が嫌いになるだけだ。
また年号などの暗記だけでは関心がわかない。学力テストでは明治維新の人物の業績などを知らない子供たちが多いという残念な結果もある。先人の業績に夢や感動を覚えるような面白い授業をする教師は少ない。
神奈川県教委は課題学習など授業も工夫するという。他の教委を含め、小中学校から歴史が好きになるよう見直す契機にもしてもらいたい。