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【正論】「教育改革」はどこへ 再生会議報告の実現を見守る 広島大学・武庫川女子大学名誉教授 新堀通也 (1/3ページ)
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ねじれ国会に翻弄される安倍提言
≪政策が出そろった直後に≫
教育改革を最重点の公約に掲げて安倍内閣が成立したのは1年半前の平成18年9月。その第1弾は官邸主導を目指した教育再生会議の設置と、教育再生担当首相補佐官の任命であった。
先月末、最終報告をまとめた再生会議は、いじめ、学級崩壊、学力低下など懸案の緊急課題への対策として子供に対する「毅然(きぜん)たる態度」、「ゆとり教育の見直し」、教科としての「徳育」、「指導力不足教員」の排除、全国学力調査、教職専門大学院、「親学」などを提言した。
教育改革の第2弾は同年末の教育基本法改正であり、「公共の精神」「我が国と郷土を愛する態度」の涵養(かんよう)が明記された。それにつづいて打ち出された第3弾は、教育三法の改正であり、なかでも教員免許の更新制はその目玉とされた。
これら教育改革の多くはこれまでも長い間、論議、提案されていたものの、なかなか実現しなかった。それが安倍内閣発足後、わずか半年あまりで制度的決着にこぎつけたのであり、「三段跳び」ともいえる成功を収めたことになる。
ところが昨年7月の参院選で与党は未曾有の惨敗を喫し、参院での議席が与野党逆転、与党優位の衆院との“ねじれ現象”が起きた。踏ん張るかにみえた首相が四面楚歌(そか)の中でついに退陣し、新しく福田内閣が成立した。
参院選でも自民党総裁選(その結果は新首相の選出に直結する)でも、教育問題、教育改革はほとんど論点にならなかった。教育基本法や教育三法がすでに改正されたからかもしれないが、その改正の吟味、参院選によるねじれ現象から生じる国政の停滞、教育改革の連続性や一貫性の破綻(はたん)は、今後の日本の教育、日本の将来にとって極めて重要な課題であろう。

