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【正論】「教育改革」はどこへ 硬直化した哲学は通用せず 首都大学東京学長・西澤潤一 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:正論
南原・丸山流の「理想論」を脱せよ
≪責任者の驚きの発言≫
伊吹文明前文部科学大臣や山崎正和・中教審会長が昨年、相次いで「歴史教育は学校では要らない」とか「道徳教育は教科にはしない」といった発言をし、現在の狂った社会や家庭を生じた戦後教育を改めるために努力を続けてきた人たちを仰天させたことは記憶に新しい。
その直後本欄にも市村真一先生(京都大学名誉教授)の反論が出て少々安堵(あんど)したものの、今時になっても、このような基本的な、しかも教育の最高責任者ともいうべき方々から対照的意見が出されたことに一驚した。
戦後の教育改革はあまりに急激であったこともあり、難点が出てきた。何よりも大きかったのは国家家族主義から家族主義、さらには利個主義にわたる、「全」から「個」への移動が急激に行われたことである。
戦前の徴兵制はほかの国々でもみられ、特に日本だけということはなかったが、軍国主義が強烈だった。しかしそれが廃止されると一気に、自国の防衛すら米国任せ、ついには隣国から夜間上陸したやからに国民が拉致されるに至っても、国は何もしようとしない。
国民の大多数はわが身が可愛(かわい)くて危険を冒さず、被害者の家族が立ち上がるまで何もしないという、世界で最も公的な束縛が弱く、それでいて個の主張の強い国になっていた。
戦後の日本人は低賃金にもかかわらずよく働いた。その結果、高い経済水準が生み出されたが、かつて働くことが好きといわれた国民は、すっかり遊び好きになってしまった。当時は考えられなかった栄養過剰による健康障害者が続出しているというから、驚きである。
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