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【正論】やはり「新学力観」が問題だ 京都大学経済研究所所長・西村和雄 (1/3ページ)
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OECD調査に悪影響が見える
≪さらに低下したレベル≫
昨年12月に、15歳の生徒を対象とした経済協力開発機構(OECD)による第3回の学習到達度調査(PISA)の結果が発表された。日本は、読解力が15位、数学的応用力が6位、科学的応用力が10位との結果であった。
1回目から指摘されていた、トップレベルの生徒の割合が、他の上位国に比べて少ない、論述式の問題で無回答の多さが目立つことなどは、今回も改善していない。しかも、テストと同時に行われた科学に関する意識調査では、科学を重要と答えた生徒が、57カ国中最低の57位であった。
文部科学省は、次期の指導要領の、理科と算数・数学を優先的に前倒しして、2009年から実施することを決めた。次期学習指導要領は、主要教科の授業時間を1割増やし、総合学習の時間を週1時間削減するなど、これまで続いていた授業時間の減少に歯止めをかけるものである。
これについては、ゆとり教育の見直しという評価もある一方、文科省は1996年の中教審答申で提唱された「生きる力」が基本理念であり、これまで「理念を実現する手立てが必ずしも十分でなかった」ととらえている。
≪見逃されている改革≫
2005年に、当時の中山成彬文科相は、ゆとり教育見直しを明確に示唆し、中央教育審議会に対して、指導要領を見直すことを要請している。その具体的な中身は、国語、理数、外国語教育の改善充実、教科や総合学習のあり方、教科書、指導方法の改善、土曜日、長期休みの活用などを含む課題である。
しかし、その後の中教審では、教科書、指導方法の改善も、十分な検討がなされていたとはいえない。また、総合学習の見直しは、小学校で総合学習が1コマ減るのでは、多くの小学校が総合学習で既に英語に取り組んでいるだけに、現状とあまり変わらない。

