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【正論】改正教育基本法が店ざらし 高崎経済大学教授・八木秀次 (1/3ページ)
骨抜きとサボタージュの兆候
≪画期的な転換だったはずが≫
教育基本法は昨年12月、約60年ぶりに改正されたが、福田内閣の下で早速、その骨抜きと、理念の具体化に向けてサボタージュの動きが始まった。
改正教育基本法は、その第2条で「教育の目標」として新たに「豊かな情操と道徳心を培う」「公共の精神に基づき」「生命を尊び、自然を大切にし」「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできたわが国と郷土を愛する…態度を養う」などの文言を掲げている。
また、今年6月に改正された学校教育法でも「規範意識」「公共の精神」「生命及び自然の尊重」「伝統と文化の尊重」「我が国と郷土を愛する態度」「国際社会の平和と繁栄に寄与する態度」「家族と家庭の役割」などを義務教育の目標に掲げている(第21条)。
これは旧教育基本法が「教育の目標」として単に「人格の完成」という抽象的な文言のみを掲げていたのと異なり、より具体的に教育の目標を設定したもので、戦後教育の理念を大転換させる画期的なものとして評価されなければならない。
さて、この教育基本法と学校教育法の「教育の目標」は次には学習指導要領でより具体化され、さらに子供たちが実際に手に取る教科書の記述で一層具体的な形になっていくが、現在改訂されている学習指導要領では教育基本法の理念がすっかり骨抜きにされそうな気配である。
≪「基本的に不変」の驚き発言≫
中央教育審議会の初等中等教育分科会教育課程部会は11月7日、学習指導要領を改訂するに当たっての「これまでの審議のまとめ」を発表した。そこには「改正教育基本法及び学校教育法の一部改正によって明確にされた教育の基本理念は、現行学習指導要領が重視している『生きる力』の育成にほかならない」と書かれている。
これは教育基本法が改正されたところで学習指導要領の理念は基本的に変わらないと宣言したに等しい。また、11月15日に開かれた全国中学校社会科教育研究大会で、学習指導要領を作成する文部科学省の大倉泰裕・教科調査官は「教育基本法は基本的に変わっておりません」と発言している。

