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【主張】沖縄集団自決 検定前に戻してはならぬ

2007.11.6 03:42
このニュースのトピックス沖縄集団自決

 沖縄戦の集団自決をめぐる教科書検定問題で、複数の教科書会社が日本軍の強制性を復活させる内容の訂正申請を行った。これを受け渡海紀三朗文部科学相は教科書検定審議会に再審議を要請した。

 繰り返すまでもないが、訂正申請は教科書検定規則13条で認められているものの、誤記・誤植などに限られ、検定意見にかかわる訂正は許されていない。文部科学省や検定審には、慎重な対応が求められる。

 今回の検定意見は、日本軍の自決命令があったことを前提に「集団で『自決』を強いられた」「集団自決を強制された」などと断定的に書かれた記述に対して付されたものだ。軍命令を裏付ける証拠が見つかっていない以上、当然の検定意見である。

 だが、教科書会社が行った訂正申請は、検定前の記述に戻そうというものだ。そのような訂正は史実に反し、検定制度を根底から否定することにもなりかねない。

 仮にも、検定前の記述に戻す訂正を認めるようなことがあれば、南京事件や慰安婦問題などの記述で、中国や韓国からの再修正要求やそれに便乗した教科書会社の訂正申請にも応じざるを得ない政治状況が生まれ、将来に禍根を残すことになろう。

 訂正申請について検定審で再審議が行われるのは前例がなく、今回が初めてである。これが常態化すれば、検定意見に不満を持つ執筆者や教科書会社による際限のない訂正申請を許すことになりかねない。例外的な措置は、今回限りにすべきだ。

 沖縄戦では、軍民合わせて18万8000人が戦死し、沖縄県民の犠牲者は12万人を超える。この中には、ひめゆり部隊や鉄血勤皇隊など少年少女の戦死者も含まれる。

 非戦闘員の被害は、東京大空襲や広島・長崎の原爆に匹敵する。沖縄では住民が地上戦に巻き込まれた結果、さまざまな悲劇が語り継がれている。渡嘉敷島や座間味島で起きた集団自決もその一つだ。

 国民は、この歴史を決して忘れてはいけない。そのためには、沖縄県民の感情に十分配慮しつつ、できるだけ正確な史実が教科書に記述されなければならない。文科省はこれからも、この検定方針を貫くべきである。

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