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【主張】ゆとり教育 まだ反省が足りぬ中教審
次期学習指導要領の原案となる中間報告を中央教育審議会の部会がまとめた。「ゆとり教育」の失敗に初めて言及しており、その点では一定の評価ができよう。
中教審は報告のなかで、「指導要領の理念を実現するための具体的な手だてが十分でなかった」として5つの課題をあげた。
「『生きる力』について十分な共通理解がなかった」「子供の自主性を尊重するあまり、教師が指導を躊躇(ちゅうちょ)する状況があった」などである。中教審、文部科学省が、自ら積極推進してきたゆとり教育の反省を述べるのは極めて異例だが、問題は責任の所在が不明確なままであることだ。
現行の指導要領では、毎週土日休みの学校5日制で減る授業時間以上に学習量を減らした。昭和50年代のピーク時より学習量は半減している。
ゆとり教育の弊害は大きい。「自分で課題を見つけ考える力」が過度に重視され、基礎基本をおろそかにするような風潮を生んだ。
読み書き、計算力などがしっかり身に付いていなければ、その先を考える力の育成は望めない。全国学力テストの結果をみてもゆとり教育が目指した思考力、応用力はついていない。
ゆとり教育の象徴だった「総合的な学習の時間」は次期指導要領では削減され、小学校低学年を中心に国語、算数・数学など主要教科の充実を図る。計算力、言語力などの重視を改めて明記したことは危機感の表れだ。
「生きる力」については、概念があいまいだとの指摘も多い。中教審、文科省は施策の誤りを率直に認め、学力の向上策を練るべきであろう。
道徳教育については充実方針を盛り込んだものの、政府の教育再生会議が提言した「徳育」の教科化について両論併記としており、実現に消極的だ。渡海紀三朗文科相もこれまでの会見などで教科化に積極姿勢がみえない。
小、中学校で週1時間ある「道徳の時間」は、他の教科などに流用されがちで、教師の指導力にも左右されるなど形骸(けいがい)化が指摘されている。充実策模索への動きも緩慢だ。
中教審は報告の中で知、徳、体のそれぞれの充実を掲げている。公教育の信頼回復につながる具体策を責任を持って議論してほしい。