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【産経抄】10月26日
このニュースのトピックス:韓国
「学びひたり 教えひたろう 優劣のかなたで」。平成17年4月に98歳で亡くなった国語教師の大村はまさんは、書き残した詩「優劣のかなたに」をこう結んでいる。昭和3年に長野県の女学校に赴任し、戦後は東京都内の公立中学の教壇に立つなど、教員歴は52年に及ぶ。その後は講演や著作に打ち込んだ。
▼生徒一人一人のために新聞や雑誌の切り抜きを使って教材を手作りする授業は、「大村単元学習」と呼ばれた。できる子、できない子、そんなことを忘れて、それぞれのもてる力を出し切ろう。教師は「自主性の尊重」を言い訳にしないで、子供の力を最大限に引き出せ。そんな大村さんの“遺言”と読める。
▼24日に文部科学省が発表した全国学力テストの結果をみると、都道府県の間でかなりの差が出た。どこの県が何番目とかまびすしい。そうかと思えば、序列化が進むから、やめてしまえなどと乱暴な意見もある。
▼成績の優劣に一喜一憂する必要はない。低かった地域や学校は、原因を探り対策を急ぐだけのこと。そもそも43年間も全国調査を実施しないで、データなしで教育行政が行われてきたことの方が問題だった。学力向上のために、大村単元学習も大いに取り入れてもらいたい。
▼たとえば教材に、きのうの金大中事件の記事はいかがだろう。34年前の事件は当時のKCIAの犯行だったと、韓国の報告書は断定した。日本の主権侵害を認めたのだから、てっきり韓国政府が日本政府に謝罪したと思っていた。
▼ところが、日韓両政府が出したコメントはどちらも「遺憾」だ。これではどちらが謝っているのかわからない。政治家が物事をうやむやにするときに使う常套(じょうとう)句を、学習するのに絶好の機会ではないか。