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【主張】全国学力テスト 競争封ぜず学力の向上を
小学6年と中学3年約225万人が参加した43年ぶりの全国学力テストの結果が公表された。地域や学校間の差から目をそらさず、これを指導改善に生かしてほしい。
都道府県別のデータをみると、差が意外に大きい。正答率を100点満点で換算すると、小6の国語で上位の秋田と下位の沖縄では基礎問題(A問題)で9点の差、応用問題(B問題)では16点の差がある。中3の数学では基礎、応用とも上位の福井と下位の沖縄で約20点の開きだ。
なぜ学力の差がでるのか。例えば沖縄では、今回同時に行われた学習時間や生活習慣などの意識調査で、宿題を出す学校が少なく家庭学習の時間が少ない傾向があった。
一方で成績がよかった秋田では、夏休みの補習などを行っている学校が多く、地道な学力向上策が効果をあげているともいえる。
もちろん学力差の要因はこれだけではない。教師の指導法や学習環境、学校教育以外の地域状況などさまざまだろう。各市町村や学校にはそれぞれの成績データが送られており、各教委は学力の実態を把握、分析し、課題を明らかにしてほしい。
今回は、昭和30年代の学力テストで自治体間や学校間の競争が過熱した反省から、文部科学省は市町村別や学校別のランキングは公表せず、都道府県のデータ公表にとどめた。
教育界には相変わらず競争や評価を嫌う体質がある。今回の学力テスト実施前にも一部教職員組合が妨害するような動きがあったのにはあきれる。
全国レベルと比べ地域や学校がどの位置にいるかが分かる全国一斉テストの利点を生かし、学力向上策を競ってほしい。成績の良い学校や教委の取り組みも参考になるはずだ。
学力低下が懸念される中、今回は改善もみられる。平均だけみると基礎問題の結果は8割の出来だ。しかし三角形の内角の和(180度)のように相変わらず苦手な問題もある。
さらに「ゆとり教育」が目指した問題解決型の応用問題が苦手な傾向も変わらない。
教師が独り善がりの授業をしていないか、家庭でしっかり勉強しているか、今回の結果を率直に受け止め学力向上につなげたい。