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ネット介した子供の被害を防ぐ 出前IT授業が好評
インターネットを舞台に子供が被害に遭う事件が相次ぐ中、IT(情報技術)関連企業の行う学校への出前IT授業が、好評を集めている。ブログで知り合った男に長崎県内の女児が誘拐された事件に、メールによるいじめが原因で高校3年の男子生徒が自殺した恐喝未遂事件…。急変するネット環境に戸惑う教師や保護者らは「専門家のサポートは助かる」と歓迎する一方、識者からは「子供を守るには、まず大人が学ばなくてはならない」との指摘も上がっている。
●相手は人間
大阪府吹田市の市立青山台小で開かれたIT教室。5年生の児童らが見つめる20台のパソコンに、怪しげなメールが一斉送信された。
「歌手やタレントになる近道です。あなたの顔写真と名前をメールで送ってください」
ある児童は「本当になれるんですか?」と返信を送り、ある児童は「返事しない」と腕組みをした。NECシステムテクノロジー(大阪市中央区)が開いた出前授業でのひとこまだ。
担当マネジャーの横山求さんは「ネット上で、だまされることも、相手を傷付けてしまうこともある。モニターの向こうには人間がいることを強調しています」と話す。
●「専門家求む」
年間約30校に講師を派遣するNECグループだけでなく、多くのIT関連企業も同様の活動を社会貢献の一環として行っている。また、業界6団体と総務省などは900人の講師をそろえ、18年度から出前講座「e−ネットキャラバン」をスタートさせた。
事務局の山田能弘さんは「(簡単な入力で自己紹介ページを作れる)プロフや学校裏サイトなど、ネット上の最新動向を大人に知ってもらうのが狙いです」と説明する。
しかし、実際には初年度の参加者約5万人のうち、大人は半数足らず。教師にITの知識を身につけてもらうはずが、手っ取り早く生徒と一緒に受講する教師が多いのが原因だという。
●責任は親に
こうした中、2年前から独自に市民インストラクターを養成し、家庭でのIT教育に取り組んでいるのが群馬県だ。インストラクターはPTA役員などが対象で、子供とネットに関する計24時間の講座を受けてもらい、ライセンスを授与。各地域で保護者の指南役となってもらう。
提唱した下田博次・群馬大社会情報学部大学院教授は「子供を守るためには、携帯電話に有害情報のフィルタリング(遮断)機能を義務化するなど業界側が果たすべき責任も大きい」としながらも、「ネットの危険を教えるのは学校ではなく、養育者である親の責任」としている。