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【産経抄】10月2日

2007.10.2 03:27
このニュースのトピックス産経抄

 何か誤解があるのではないか。それとも意識的なすりかえか。先月29日に、沖縄県宜野湾(ぎのわん)市で開かれた集会のことだ。沖縄戦で起きた住民の集団自決をめぐり、日本軍が強制したとの記述を削除するよう求めた検定意見の撤回を求め、11万人(主催者発表)が参加した。

 ▼集会で採択された決議では、「集団自決に軍が関与したことは明らか」だと、こぶしが振り上げられている。文部科学省の検定意見は、軍の関与を否定しているわけではないのに。たとえば、検定前のある教科書にこんな記述があった。

 ▼「日本軍は、県民を壕から追い出し、スパイ容疑で殺害し、日本軍のくばった手榴弾(しゅりゅうだん)で集団自害と殺しあいをさせ、800人以上の犠牲者を出した」。この後半部分が「日本軍のくばった手榴弾で集団自害と殺しあいがおこった」と修正された。果たして「歴史の歪曲(わいきょく)」といえるのか。

 ▼集団自決の軍命令説が、信憑(しんぴょう)性を失った経緯について、小紙では何度も報道してきた。『沖縄ノート』で、自決を命じたと書かれた元守備隊長らは、著者の大江健三郎氏に名誉を傷つけられたとして、訴訟を起こしている。

 ▼沖縄戦では、集団自決とその後の地上戦により、住民の死傷者は軍人を上回った。戦後も長く米国の占領下に置かれ、本土復帰後も、米軍基地が集中したままだ。こうした沖縄の悲劇から、目をそらさないことと、教科書の不確かな記述を正すことは、なんら矛盾しない。

 ▼どんな修正に対しても、「反沖縄」と決めつける勢力がはびこる限り、沖縄と本土の隔たりは埋まらない。集会では、高校生が「教科書から軍の関与を消さないでください」とメッセージを読み上げる場面もあった。少年少女にはまず、「事実」を教えてほしい。

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