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【命の処方箋】(1)事故の後遺症 悩むより新しい一歩を (1/4ページ)

2009.7.15 08:02
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顔に違和感

 眠り込んでいたため、自分の身に何が起こったのか全く分からなかった。キーッキーッ。車体のこすれる嫌な音と、救急隊員に名前を聞かれたことだけがかすかに記憶に残っている。

 専門学校1年生だった大型連休最終日の午前3時。地元の友人3人と深夜まで遊び明かしていた森和彦さん(31)は、車で自宅に送ってもらう途中で事故に遭った。自宅近くの交差点で、友人の運転する乗用車が電柱に衝突して大破。4人とも奇跡的に助かったが、このときを境に森さんの人生は大きく変わった。

 病院のベッドで明け方に目を覚ました森さんの枕元には、今にも泣き出しそうな両親がいた。

 「顔に違和感があったけど、病院では怖くて見られなかった」

 精密検査の前にいったん帰宅し、自分の部屋で一人になったとき、恐る恐る鏡をのぞいた。ぐにゃりと曲がった鼻、折れたほお骨、高さが異なる左右の目…。左目のまぶたは神経が切れて目の形を成していなかった。自分の顔だとは到底、思えなかった。

 身体は無傷だったため、事故の2日後にはぱんぱんに腫れ上がった顔に眼帯とガーゼを当てて学校へ向かったが、1週間ほどで通学に耐えられなくなった。

 学校の友人は、すっかり変わってしまった森さんの顔への戸惑いを隠すため、「ウケる」と大笑いして冗談で受け流そうとした。優しい言葉をかけてもらいたかったわけではないが、当時18歳という外見を気にする年ごろでもあり、深く傷ついた。通学途中の電車内でも、笑われているような感覚にとらわれた。

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