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【一筆多論】坂口至徳 がん登録の拡大をめざせ (1/2ページ)
日本人の3人に1人が、がんで死亡するといわれる。それでも予防の方法や、治療の発達により早期発見で救われる患者が増加し、進行がんでも生活の質(QOL)を保った生活が続けられるケースが増えた。正体が見えつつあるがんに対し、最新の医療や予防対策が行われる。その効果を調べるために、がんの患者を自治体が記録する「地域がん登録」を拡大する必要がある。
大阪で3月に開かれた健康フォーラムで、大阪府立成人病センターの大島明がん相談支援センター長は「相手(がん)をよく知り、何が原因で、どのような治療が有効かを明らかにすることは、医師や患者にとって重要です。このためには、地域のがん患者の予後を追跡調査し把握しなければならない」とアピールした。
がんに関する統計は、主に厚生労働省の人口統計による死亡率で表している。しかし「がんに罹患(りかん)、治療した時点から、1年後、2年後の生存率などを追跡しないとそのときの最新の治療がどれだけ有効であるかわからず、データとして不十分です」と大島センター長は強調する。たとえば、5年生存率が得られても、それは5年前の治療の成果にすぎないからだ。
さらに、がん患者全員を把握できれば、科学データとして精度が高まり、有効な治療の進展やがんの原因の究明など今後のがん対策に効果を生むことはまちがいない。実際、欧米各国や韓国ですでにがん登録が法律によって義務化されていることからも分かる。
日本の場合、平成19年のがん対策推進基本計画でがん登録は重点3項目のひとつに指定された。登録の方法としては、がんの診断治療を行った病院での「院内がん登録」、病院の登録票による情報提供に基づき自治体が患者が居住しているかを把握する「地域がん登録」などがある。
「院内がん登録」については地域がん診療連携拠点に指定されるさいの必須要件に入っており、医師側の意識の高まりとともにシステムとして広がりつつある。
一方で、「地域がん登録」については、35道府県市にとどまっている。