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【国循の不同意治験】治験制度の根幹揺るがす

2008.12.17 10:16

 臨床試験(治験)が成立する前提は、未知の副作用があるかもしれない薬や機器を自分の体で試してもいい、という患者の自発的な意思がなくてはならない。

 ゆえに、治験には同意の確認やデータの検証など厳密な手続きが定められており、携わる医師やメーカーは高い倫理観のもとに治験を進めることが原則だ。患者側から同意を得るに際にも、説明を尽くすことは当然の責務といえる。

 治験はその一つ一つの安全性や有効性を証明し、確認する作業でもある。そんな過程で1件でも不透明な部分が出てしまえば、公正に行われている他の症例すら信頼が崩れかねない。

 まして今回、疑惑が浮上した国立循環器病センターは国の直轄組織で、心臓をはじめとする循環器系疾患のナショナルセンターだ。承認前の医療器具を装着する治験に関して同意を十分に得ないまま進めていたとしたら、それは日本の臨床試験制度の根幹を揺るがすことになりかねない。

 今回はエバハートという、製造承認が待ち望まれている国産の植え込み型補助人工心臓の治験だった。それだけに今回のケースは製造承認を急ぐあまり、拙速な手続きをしたとも、受けとられかねない。

 センターは患者側の訴えを真摯に受け止め、速やかに調査に着手することが求められる。(信藤敦子)

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