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HIV夫婦の体外受精に待った 「倫理的な検討必要」と厚労省
共にエイズウイルス(HIV)に感染している夫婦に対し、荻窪病院(東京都杉並区)が実施しようとしていた国内初の体外受精が、厚生労働省から「倫理的な検討が必要」と指摘を受け、中断していることが19日、分かった。厚労省の研究班が28日に、HIV感染者や医療関係者らを交えた公開会議を開き、妥当性や問題点を議論する。
国内では昨年1年間に新たに確認されたHIV感染者が、初めて1000人を超えるなど、感染が拡大している。今後、感染者同士が夫婦となり、子供を欲するケースも増えることが予想される。そのため、体外受精を行った場合に、子供への感染リスクをどうとらえるかといった点や、両親の病状が重いケースで育児体制をどうするかといった点でさまざまな議論が出そうだ。
荻窪病院によると、今回の体外受精については、院内の倫理委員会で平成19年1月に申請が承認されている。しかし、その直後に厚労省から「倫理的な検討が必要」として、中断を求める要請があった。
受精が中断しているのは関東と東海地方に住む20〜30代の2組の夫婦。
すでに荻窪病院では、夫の精子からHIVを完全に取り除く技術を確立しており、夫のみが感染者である約60組の夫婦が子供を授かっている。病院ではこの技術を応用する予定だった。2組の夫婦はいずれも、妻の状態が安定しているため、母子感染の可能性は0・3〜0・4%程度に抑えられる見込み。
荻窪病院の花房秀次副院長は「社会的な議論があった方が、その後に幅広い夫婦に実施することにつながると考え、要請を受け入れた。一方で、夫婦はすでに1年以上も体外受精を待っており、早く方向性が見えることを期待したい」と話している。
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