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網膜再生 患者の希望高まるが、まだ年月必要 正しい理解を (2/2ページ)
このニュースのトピックス:病気・医療
他人の細胞であるES細胞を移植する場合の最大の難題であった免疫拒絶が、iPS細胞の登場によって解決されたことは画期的な一歩だが、高橋さんは、この研究成果が強調され過ぎた結果、患者の過剰な期待に結びついてしまったと指摘する。
では、将来的な治療の可能性は、どの程度まで期待できるのだろう。
「人工網膜研究者は10年後には人工網膜で文字を読ませたいと言っています。iPS細胞では10年後に光を見せたい。20年後には人工網膜を超えたい。網膜の再生というと、よく見えるようになると誤解されますが、われわれの目標は現時点では矯正視力で0・1程度の視機能の獲得です」と高橋さんは目標を挙げる。
理化学研究所で開いた視覚に障害のある人を対象としたセミナーでも、「患者さんにとってのiPS細胞のメリットは、免疫抑制剤が不要という点。視力がよくなることもないし、網膜色素上皮を除けば科学的には網膜再生治療が早くなることもない」と説明した。
状況はどんどん変化しているものの、新しい治療法を待つだけではなく、自分の病気の状態と進行予測を正しく知ることが大切。また、各地で行われているロービジョンケア(視覚障害へのリハビリテーション)を活用し、単眼鏡や拡大読書器など補助具の使い方を学び、今ある視力を有効に使ってほしい、と話す。
高橋さんはさらに、「失明=目が見えない、暗黒」といった視覚障害に対する誤解を取り除き、視覚障害者の就労や復職を支援できる環境づくりのためにも、再生医療とロービジョンケアを“車の両輪”として進めていく必要性を強調している。


