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網膜再生 患者の希望高まるが、まだ年月必要 正しい理解を (1/2ページ)
このニュースのトピックス:病気・医療
■iPS細胞に「過剰な期待」
人工多能性幹細胞(iPS細胞)を世界で初めて京都大学の山中伸弥教授が作製し、再生医療への期待が高まっている。その一方で、過剰な情報に反応して、iPS細胞による治療がすぐにでも始まると誤解している視覚障害者も多いという。日本を代表する網膜再生研究者の1人で、理化学研究所神戸研究所(神戸市中央区)の網膜再生医療研究チームリーダー、高橋政代さんは「視覚障害や網膜再生への正しい理解を」と呼びかけている。(服部素子)
目の病気にはさまざまな原因がある。このうち治療法が現在あるのは、白内障などに代表される、角膜から硝子(しょうし)体までの透明な光の通り道が濁る病気などに限られている。入ってきた光を受け止め、その信号を脳へ送る網膜が傷つき、その機能が失われる網膜色素変性や加齢黄斑変性、網膜剥離(はくり)などの病気・障害の重症例には有効な治療法はない。
こうした中、胚性幹細胞(ES細胞)の登場により、網膜を構成する視細胞などをES細胞から大量に作り、その細胞を網膜に移植することで失われた視細胞を補充し、見る機能を回復できる可能性が出てきた。
高橋さんの研究チームでは網膜細胞移植やES細胞からの網膜細胞分化誘導などを研究テーマに掲げ、iPS細胞による治療の可能性についても山中教授らと協力して研究を進めている。
「その(研究)材料として、ES細胞やiPS細胞から視細胞ができたというのが、今の段階です。再生医療が現実のものとなるためには、科学的な有効性を示して、安全性を確認し、法的・社会的な承認が必要であり、まだまだ年月を要します」と高橋さん。


