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【連載企画「闘う臨床医」】(1)「小児医療の現場守る」自殺した父に誓う女性研修医の決意 (2/3ページ)
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しかし大学の小児科の講義で聞いた一つの言葉が転機となった。
「子供には発達があり、未来があり、病気が治る可能性がある」
父が命をかけて訴えたのは子供の未来を守るためだったと、このとき初めて気づいた。
「忘れようとしていた過去と医師の卵になった現在がつながり、未来を見つけた」と思った。
「父と同じ小児科医になりたい」。娘から夢を告げられた母、のり子さん(51)は「娘まで失うのではないか」と心配で猛反対した。
が、千葉さんは「父を死に追い込んだ医療現場を支えたい」と押し切った。
平成18年、医師国家試験に合格した。大学卒業と同時に同級生と結婚し、昨年10月に長男を出産した。現在は研修医として神奈川県横須賀市の病院に勤務する。
「子育てと仕事の両立は難しい」と千葉さんは言う。
研修は分刻みのスケジュールだ。帰宅後も家事と子育てに追われ、就寝時間はいつも日付をまたぐ。職場では勤務時間を短縮し、当直も免除してくれているが、その分のしわ寄せは同僚たちにいく。周囲の配慮に感謝し、すまないと思う。
「特別扱い」されている千葉さんに、指導担当だった男性医師は突き放すようにこう言った。
「本当に教えたいことは、人手の足りない夜間や休日に起きる。でも、そのときあなたはいない。あなたに必要なのは子育てで研修じゃない」
千葉さんは何も言い返せなかった。
医療現場の過酷な状況は父の時代からまったく変わっていない。