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【連載企画「闘う臨床医」】(1)「小児医療の現場守る」自殺した父に誓う女性研修医の決意 (1/3ページ)

2008.5.2 22:11
このニュースのトピックス女性

 「小さないのち〜父から娘へ〜」。今年3月、こんなタイトルの漫画が女性漫画誌「BE・LOVE増刊号」に掲載された。

 過労自殺した父と同じ小児科医を目指す千葉智子さん(26)の体験をまとめた作品である。

 父の死を乗り越え、「日本の小児医療を守る」との遺志を継いだ娘の軌跡が描かれ、大きな反響を呼んだ。

 千葉さんの父、中原利郎さんが自殺したのは平成11年8月。

 自分が勤務する東京都内の病院の屋上から、真新しい白衣を身につけて飛び降りた。享年44。半年前にこの病院の小児科部長になったばかりだった。

 「少子化と経営効率のはざまで」。中原さんの執務机の上に、こう記された遺書が残されていた。

 《経済大国日本の首都で行われているあまりに貧弱な小児医療。不十分な人員と陳腐化した設備のもとで行われている、その名に値しない救急・災害医療。この閉塞(へいそく)感の中で、私には医師という職業を続けていく気力も体力もありません》

 同僚医師が次々と退職し、死の直前には月4回だった当直が8回に増えた。

 当直をはさむと1回の勤務が32時間連続になることも多々あった。

 さらに管理職としての責任まで背負うようになり、疲労が心身ともにむしばんでいった。

 3枚の便箋(びんせん)に手書きでつづられた文面は、過重労働にあえぐ勤務医たちの「叫び」を代弁していた。

    ■  ■

 千葉さんは当時、医学部進学を目指す高校3年生だった。

 「自殺は現実逃避」と父を許せなかった。

 医師になる決意は変わらなかったが、「父の自殺を思いだすから、小児科医にだけにはならない」と心に決めた。

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