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引きこもり克服 広がる声楽療法 医学的な検証も着々と進む (2/3ページ)
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「“さらばふるさと…”と繰り返す部分は、繰り返すごとに声を大きく」と佐藤さんは指導するが、女性はうまくできない。しかし佐藤さんはそれを指摘することなく2曲目の「この道」に移り、「今日は高音部がよく出ますね」とほめたうえで、「故郷を離るる歌」に戻った。すると女性は繰り返し部を指導どおり歌えた。「気分を変えると、できることがあるんです」と佐藤さん。
声楽団体「二期会」のバリトン歌手でもある佐藤さんは、40代で指揮法を学んだ異例の指揮者。イタリア留学で習得した伝統唱法に、独自の筋トレーニングなどを加えた「佐藤式ベルカント発声法」は、鑑賞中心の音楽療法では得られない顕著な効果を上げている。当初は茨城県阿見町の自宅スタジオのみだったが、「遠い」という声を受け、昨年9月に田端スタジオを開設。毎週金、日曜に都内レッスンを行っている。
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女性は「高校時代から感情の浮き沈みが激しく、短大進学後に引きこもりになった。進路選択を後悔していたところに、アルバイトの忙しさや失恋が重なり、心のバランスが崩れた。話すことも起きることもできなくなった」という。
心療内科を受診し、抗鬱剤を服用したが「気力は回復せず、2年間悶々(もんもん)としました」。レッスンを始めたのは昨年末。「最初は嫌々だったのが、4回目くらいから歌うのが楽しみに。今はごはんもおいしく、家の掃除など何かをできるようになったことがうれしい」


