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【厚労省のカルテ】(5)したたかに受け継がれる天下り (1/2ページ)
製薬会社への天下り体質が問われた薬害エイズ事件。被害拡大の背後には、厚生省(当時)OBが君臨する製薬会社への配慮があったとされる。
厚生省は平成8年に、中枢幹部らの製薬会社への再就職自粛を打ち出した。しかし、自粛期間が『当面』とあり菅直人厚相(当時)が『永久だ!』と激怒したという有名な話がある。「事件の背景には厚生省と製薬会社の癒着が横たわっている」というのが菅元厚相の考えだ。
しかし、厚労省幹部が退職後に、製薬会社や関連業種に籍を移すケースは後を絶たない。
薬害肝炎問題では、患者救済につながる「副作用リスト」を入手しながら放置した当時の医薬局長が、副作用被害者の救済を行う独立行政法人の理事長に天下っていたことが分かり、批判を浴びた。
異常行動が心配されたインフルエンザ治療薬「タミフル」問題では、薬品の安全対策をしていた厚労省幹部が退職後、タミフルを発売する中外製薬に移っていたことが不信を拡大した。
厚労省内には天下り批判に理解を示しつつも、「退職後に専門知識を生かせる職場は限られているし、自分たちの生活もある」(幹部)という本音がある。
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社会保険一家−。厚労省OBが、そんな言葉を使いながら厚労省人事の実態を紹介してくれた。
「厚労省には、ノンキャリア職員による彼ら特有の人事ルールがあった。所属先ごとにグループを作り、代々の仕切り役“影の人事課長”が、現役人事にとどまらず、退職後の就職先まで面倒を見てきた」
一番結束力が強いのが社会保険庁、厚労省年金局や保険局職員らの一団で、社会保険一家と呼ばれているという。結束力の秘密は、社会保険事務という、ノンキャリ職員が上からの指示がなくとも実力を発揮できる職務を受け持ったことにある。彼らは、異能集団として省内で一目置かれた存在となっていった。