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【ゆうゆうLife】向き合って 故池田貴族さんの妻 池田一美さん(下) (1/2ページ)

2008.3.21 08:01

娘の存在に生かされて 自分らしさを今実感

 30代半ばで進行性の肝細胞がんを発症したミュージシャン、池田貴族さんは闘病中、一人娘の美夕ちゃん(10)を授かりました。残される家族を心配しながら、最期まで仕事に情熱を傾けた夫。「すぐに再婚するから安心して」と励ました妻の一美さん(38)は今も、シングルマザーとして美夕ちゃんを育てています。(永栄朋子)

 平成8年に肝細胞がんが見つかり、亡くなるまでの3年。手術でがんを取っても、半年もすると、また新たながんが見つかるといった具合で、闘病生活は厳しさを増していきました。

 平成10年のクリスマスには肺に転移。翌夏には肝臓のがんが70個に増えて、もはや手術もできなくなりました。病状が進み、私は東京を引き払い、池田と田舎でゆっくり生活したいと願いました。でも皮肉なもので、病気が重くなるほどに池田の仕事は順調でした。

 本人は長く、タレント活動が中心でしたが、もともとはミュージシャン。元気なときは常々「オレがやりたいのはこんなことじゃない。歌がやりたい」と言っていたんです。それだけに、新アルバムやコンサートは、生きがいのように見えました。

 そんな彼の姿に「この人は仕事が好きなんだ」と、何も言わずに見守ることにしました。

 夏が終わるころには腹水がたまりだし、つらそうで見ていられなくなりました。私は美夕と私の存在が逆に彼を苦しめているんじゃないかと思いました。それで、励ましたいと「すぐに再婚するから」なんて言って。

 池田はそのころ、私に「人間の体が壊れていく過程をよく見ておけよ」と言っていましたが、本当に壊れていくまでの過程を見事に見せてもらいました。

 冬になり、先生に「あと1週間。年を越すのは厳しい」と言われましたが、受け入れられませんでした。

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