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嫌煙権運動30周年 煙に悩まされない社会へ

2008.2.28 08:25
このニュースのトピックス汚染、公害

 ■禁煙タクシー5割に/民間企業も対策進む

 「たばこの煙は公害」という視点から公共の場での禁煙を求める「嫌煙権運動」が今年2月、30周年を迎えた。運動が始まった当時は、電車や航空機、病院の待合室まで、至るところでたばこの煙が充満していた時代。「嫌煙権」を初めて提唱し、「嫌煙権確立をめざす人びとの会」を旗揚げした同会共同代表でコピーライターの中田みどりさん(55)らに、この30年間の喫煙事情の変化と今後の課題について聞いた。(中曽根聖子)

 昭和53年2月18日。たばこの煙に悩む市民ら約60人が、中田さんの呼びかけに応じて東京・四谷の小さな会議室に集まり、会の発足を決めた。

 中田さんは当時、小さなデザイン会社に勤務しながら、ボランティアとして公害の絵本作りにかかわっていた。「職場の仲間は全員がヘビースモーカー。たばこを吸わないデザイナーは遅れているといったイメージがあり、ノーと言える雰囲気ではなかった」と当時を振り返る。

 駅構内で歩きたばこでやけどをしそうになった経験もある。線路脇には大量の吸い殻が捨てられ、駅員が清掃する姿をよく見かけたという。

 日照権などの言葉が生まれ、人権意識が高まりを見せた社会状況もあって「たばこを吸わない人が自分の体を守るために権利を主張してもいいのでは」と考えた中田さんは、「遠煙」「排煙」など複数の候補の中から、語呂が良く覚えやすい「嫌煙」を考案した。

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 活動を始めた30年前、新幹線の禁煙車は「こだま号」の自由席に1両だけ。会の最初の活動は「ひかり号にも禁煙車設置」を求め、100万人を目標にした署名活動を展開した。

 会の活動をきっかけに禁煙・分煙を求める声は次第に広がり、航空機、列車、駅ホーム、病院、学校などが分煙・禁煙に。平成15年には公共の場での受動喫煙対策を求める健康増進法が施行。さらに名古屋、神奈川、東京など大都市を中心にタクシーの全面禁煙が進み、昨年3月時点でわずか3%だった禁煙タクシーの比率は今年5月ごろには全国で50%を超える見通しだ。

 中田さんは「30年でこれほど変わるとは夢にも思わなかった。今はまだ嫌煙権という言葉が必要ですが、最終的になくしていくのが目標です」と語る。

 一方、同会の共同代表で「禁煙ジャーナル」編集長の渡辺文学さん(70)は、39歳まで1日60本以上吸っていた経験をふまえ、「国内の喫煙環境は劇的な変化を見せたが、いまだに愛煙家という言葉は残っている。僕はニコチン中毒で、やめたくてもやめられない『哀煙家』だった。愛妻家、愛犬家のように喫煙にプラスイメージを与える『愛煙家』を死語にしていきたい」と意気込む。

 今年2月には未成年者の喫煙防止対策として、たばこ自動販売機の成人識別ICカード「タスポ」がスタートするなど規制が進む一方で、飲食店や中小、零細企業での喫煙対策には課題が多い。渡辺さんは「煙に悩まされない社会を目標に、健康増進法の罰則規定や、たばこの大幅増税を求めて活動を続けていきたい」と話している。

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 同会は3月1日午後2時から、東京都千代田区の「プラザエフ」で、「嫌煙権運動30周年記念フォーラム」を開く。

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