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【医療破綻(中)】たらい回しの土壌 (1/2ページ)
「患者の置き去りは日本でも起こるべくして起きた感がある」
公費での入院患者を多く受け入れる大阪市内の民間病院の院長は、昨年9月に発生した全盲患者置き去り事件について同情的な見方を示す。
医療費が公費でまかなわれる患者の多い大阪府では、精神科や内科の基幹病院を拠点に、数カ月ごとに公費患者を別の病院に“たらい回し”にする病院間のネットワークがある。
事件の舞台となった新金岡豊川総合病院(堺市北区)もその一つだ。
同病院では一昨年6月、患者の減少で産婦人科の入院扱いを全廃し、その穴埋めとして同年7月から公費入院患者を積極的に受け入れるようになった。
「空きベッド対策のためにやっている」。豊川泰樹薬局長はそう明かす。定期的に約20人の公費入院患者を受け入れており、現在も3〜4カ月単位で空きベッドを回転させ、逼迫(ひっぱく)した病院経営を成り立たせているという。
だが置き去りにされた患者は生活保護を打ち切られ、医療扶助の適用はなくなった。
「公費負担がなくなった以上、支払いは期待できず、病院の負担は増すばかり。病院にとってこれほどの厄介者はいなかった」。病院関係者は本音を打ち明ける。
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「長期入院」と「未収金」。患者置き去り事件の背景に浮かび上がる2つのキーワード。とりわけ未収金は病院経営にも直結する問題だけに事態は深刻だ。
こんなデータがある。民間病院の約6割が加入する「四病院団体協議会」(四病協)が平成14〜15年度の未収金の実態を調べたところ、調査対象となった全国約5570病院の未収総額は約373億円に達した。
景気の低迷に加え、15年度から始まった医療費の窓口負担の増加が影響したとみられるが、調査結果は9割の病院で未収金を抱える実態を浮き彫りにした。
「入院費などを滞納する患者を他の病院に転院させるのは、同業者として道義的に反する。それだけに受け入れた側は『貧乏くじを引いた』という思いで対処に困り、置き去りという最悪の結果になってしまったのでは」。大阪府枚方市にある私立病院の経営者はこう推測する。