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【正論】本当に患者のための運用を 精神科医、国際医療福祉大学教授・和田秀樹 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:医療問題
医療事故調に公平判断を求める
≪ミスによる死の見極め≫
医療事故を調査する専門の第三者機関として、医療事故調査委員会の設立を厚生労働省が進めている。政府・与党の合意を得て、平成22年までにスタートさせるとのことだ。
確かに、この手の調査機関がないために、医療ミスの判断は困難だ。家族が医療に伴う納得のいかない死に方をした際に、それを医療ミスかどうか判断してもらうことも難しい。セコンド・オピニオンを得ることや、訴訟の際に証言を与えてくれる医師はまだまだ少ない。
逆に、医療行為は、100%の成功を保証するものではない。患者側が医療ミスと思っていても、実際は、ある確率で起こり得る死亡や障害であることも珍しくはない。簡単な手術でさえ、やはり危険は伴うのだ。
そういうことを公平に判断してくれる機関の存在は望まれるが、今回の第三者機関については、いくつかの点で問題があるといわざるを得ない。
最大の問題点は、この調査結果が、刑事処罰を前提にしたものであるということだ。
原案では、死因がはっきりしない診療関連死について届け出が義務付けられ、それを怠った場合は罰則が課せられる。その調査の結果、故意や重大な過失だった場合は、事故調から警察に通報することになっている。
ところが、この「死因がはっきりしない」という判断が意外に困難だ。患者さんの体力や体質によって、簡単な手術とされるものでも、予想外の急変もあり得る。また患者さんの側で納得の上で、難度の高い手術を行うこともあるだろう。しかし、こういう際に、不幸にして患者さんが亡くなった場合、罰則をおそれて全例、事故調に報告することになり得る。
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