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【正論】「総合医」の養成が緊急課題 医事評論家・水野肇 (1/3ページ)
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臓器専門の医療だけでは危機救えず
≪サッチャーも経験した荒廃≫
いま、日本の医療は崩壊寸前にあるといってもいい。医師供給の歯車がおかしくなり、そこへ医療費削減の大波を受けた自治体病院の医師(とくに産婦人科、小児科、救急など)が労働過重になり、音を上げて退職、開業医に転進、揚げ句の果てに病院の閉鎖に追い込まれたような自治体病院も出始めている。
全国の病院は、歯を食いしばって頑張っているが、すでに国民は、産婦人科や小児科の医師を求めて右往左往しはじめている。
この原因は、直接的には、これまで医師供給を一手に引き受けていた大学医学部教授の権限が弱まったことと、医学部卒業生に2年間の各科修業が課せられ、これまでのように卒業後直ちに医局に入局したり、開業したりできなくなったことにある。卒業生たちは、医学部より都市の大病院で勉強するほうを好み、入局者は減った。このため、大学医局の医師が不足し、派遣病院から医師を引き揚げたためこういう現象が起きたのだと大学側は説明している。
しかし、これだけでなく、小泉内閣時代に医療費を頭から削減したため、どこの病院も財政が逼迫(ひっぱく)し、医師減への対策も的確に打てず、病院自体がコントロールを失ったようになってしまっている。
これは、世界的に見ても前例がある。イギリスがそうだが、イギリスは前世紀末のサッチャー政権のとき、医療費削減に切り込み、そのため、病院へのウエーティング・リスト(入院待機者)が84万人(1990年)になり、一方予算不足で病院閉鎖が相次いだ。これはサッチャーのあと首相になったブレアがNHS(ナショナル・ヘルス・サービス)の改革と同時に年率6・1%の医療費増を行い、小康を保った。
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