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【主張】タミフル 薬への認識新たにしたい
異常行動との因果関係はまだ解明できず、10代の患者に対する使用禁止を継続する。インフルエンザ治療薬「タミフル」(成分名・リン酸オセルタミビル)について、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会安全対策調査会が、このような見解をまとめた。
結論の先送りとの批判もあるだろう。しかし、ここは十分に疫学調査を重ね、厚労省がしっかりした判断を下すべきではないか。副作用を見極めるには慎重な対応が求められる。今後の調査で新事実が判明すれば、できるだけ早く、かつ分かりやすく、情報として国民に提供してほしい。
今回の調査でタミフルの服用の有無にかかわらず、幻覚や幻聴から高い所から飛び降りたり、車道に飛び出したりする異常行動が起きる可能性があることが分かってきた。
タミフル使用者の方が服用していない患者に比べて異常行動が少ないという厚労省研究班の調査結果も出た。
世界的にインフルエンザの研究が進んだのは1970年代に入ってからだ。まだまだインフルエンザには謎が多い。そのひとつが脳症や脳炎などインフルエンザウイルスが脳に与える影響だろう。
専門家だけでなく、国民がインフルエンザに対するこうした知識を深めることも大切である。
タミフルは今年3月に10代への使用が制限された。このため、10歳未満の子供でも不安だから飲ませないという親がいる一方、以前、とてもよく効いたので飲ませたいと解禁を望む保護者もいる。
インフルエンザは、重い肺炎を併発したり、持病を悪化させたりすることもある。体力のない幼児やお年寄りは特に注意が必要だ。専門家は「必要な患者にはタミフルを処方しなければならない」と指摘する。
タミフルに限らず、副作用と効き目とを秤(はかり)にかけ、状況に応じて使い分けるのが薬だ。タミフル問題を契機に患者側も、薬に対する認識を新たにする必要がある。
タミフルを服用した患者から目を離さないことも肝要である。
そして服用しなくとも、健康な人なら十分な睡眠と栄養をとっていれば治ることも忘れてはならない。