ニュース:生活 RSS feed
患者の暴言、暴力、無理難題 医療者だって…つらい 「ホンネと悩み」調査 (1/2ページ)
■管理職と板挟み、鬱や退職も
「もしものことがあれば殺す」「昔もらった薬を診察なしで出してくれ」−。大阪のNPO法人が医療関係者を対象に電話相談「医療者のホンネと悩みホットライン」を実施したところ、患者からの暴言や暴力、無理難題に悩む医師や看護師の姿が浮かび上がった。中には精神的にまいって退職に追い込まれたケースも。「モンスターペイシェント」(モラルに欠けた行動をとる患者)という言葉も一般化してきたが、こうした現場の困難に理解を示さない管理職の存在が、さらに現場の医師や看護師にストレスを与えている。(伐栗恵子)
電話相談を実施したのは、患者が主人公の医療の実現を目指すNPO法人「ささえあい医療人権センターCOML」(大阪市)。ふだんは患者からの電話相談を活動の柱に据えているが、近年、患者の暴言や暴力などに悩む医師や看護師からの相談も増えているため、昨年初めて医療関係者を対象にしたホットラインを開設。3日間で26件の相談が寄せられた。
今年は10月13、14の2日間実施し、16件の相談があった。内訳は保健師を含む看護職が9人、医師が3人、医療事務職が3人、柔道整復師が1人で、山口育子事務局長は「件数は少なかったが、内容はどれも深刻だった」と話す。
例えば、50代の医師は合併症を起こした患者の家族から「もしものことがあれば、お前を殺す」と脅され、ポケットに入れた刃物をちらつかされることもあるという。そうした状況が数カ月にもおよび、命の危険を感じていると訴えた。
また、30代の医療事務職員は、病院長の顔見知りの患者が「5年前に出してもらった水虫の薬を診察なしで出してくれ」などと無理難題を次々とふっかけてくると相談した。
山口さんは「医療は患者と医療者が信頼関係で協働して築いていくものなのに、現状は互いに不信感をもった対立構造。“モンスターペイシェント”というような言葉は、互いの不信を生むだけです」と語る。

