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【追う】がんばれアーバちゃん(下)立ちはだかる「ハードル」 小腸回復に時間、移植は困難・高額 (1/2ページ)
ネパールで小腸を摘出し、現在は東北大医学部付属病院(仙台市)で治療を受ける同国の女児、アーバ・ドゥワディちゃん(7)の体重は現在16キロ。手術前に比べ5キロ減った。来日後も減り続けたが、最近やっと安定してきたという。腸がなければ生きるために必要な栄養を吸収できない。最終的には小腸移植も視野に入るこの治療は、回復までに多くのハードルが控えている。(豊吉広英)
小腸を摘出した患者には、静脈に挿したカテーテルから高カロリー輸液を投与する中心静脈栄養法(PN)を長期間続け、残された小腸の回復と成長を待つ治療法が一般的だ。
アーバちゃんの体には現在、2本の管が挿さっている。1本は、体内の膿などを外に排出する腹部のチューブ。もう1本がPN用のカテーテルで、アーバちゃんは右鎖骨下に入っている。
成人の小腸は平均5〜6メートル。治療を行う天江新太郎准教授によると、小腸が5分の1程度残っていればPNをせず、口から食事を採ることで生きていける可能性が高まる。しかしアーバちゃんは5分の1以下の可能性があるという。
ネパールにはPNを行える医療環境がなく、PNが続く限りアーバちゃんの帰国は困難だ。PNの長期化は、血管が詰まったり、挿しっぱなしのカテーテルから細菌が混入して起こる敗血症、高カロリー輸液の投与で生じる肝機能障害など、合併症が心配される。
過去には5分の1以下の腸でもPNの必要がなくなった例もあり「なんとか残った腸を回復させる」というのが天江准教授らの当面の方針だ。
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一方、PNをやめられず、合併症が起きるようになれば「小腸移植」が現実的な治療法となってくる。
小腸移植を専門とする東北大小児外科の和田基講師によると、小腸移植は2005年3月までに世界で約1300例が行われている。ただ国内の実施例は少なく、現在までに生体移植10例、脳死移植3例。東北大では、生体移植を3例実施したほか、今年2月と10月には脳死移植を行った。
小腸移植が少ない背景には、移植後の拒絶反応が強く、腸内細菌から感染症が起こりやすいなど、術後管理が難しいという事情がある。移植後の1年生存率は80%で、3年生存率は60%程度。PNから移植へ治療を切り替えるタイミングの見極めは難しい。

