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【主張】移植法施行10年 改正案一日も早い成立を

2007.10.16 03:09
このニュースのトピックス臓器移植

 死後、自分の心臓や肝臓、腎臓などの臓器を提供しようという善意の人(ドナー)と、その臓器がなければ命を失う患者とを結び付けて支える。これが臓器移植法の本来の姿である。それなのに現行の臓器移植法は、臓器提供の条件が厳し過ぎてドナーがなかなか現れず、移植医療の足かせともなっている。

 今日10月16日で、脳死移植を認めた臓器移植法が施行されてちょうど10年になる。この間の脳死ドナーはたったの60人余りである。欧米に比べ、あまりにも少な過ぎる。

 10年という節目を機に、国会に提出されているドナーを増やすための臓器移植法の改正案を一日も早く審議して成立させるよう重ねて訴えたい。

 厚生労働省や日本臓器移植ネットワーク、日本移植学会、患者団体はこれまで以上に移植医療への啓蒙(けいもう)を行い、国民の意識を高めてほしい。

 脳死者の出る救急病院の医師や看護師らにも理解を求め、ドナーを掘り起こす努力も忘れてはならない。

 現行法ではドナー本人が生前に書面で臓器提供の意思表示をしていることが要求される。これは日本だけの厳しい条件だ。意思を表示したドナーカードのちょっとした記入ミスから臓器提供が認められなかったケースもあり、問題になってきた。

 これに対し、改正案はドナーが拒否していなければ家族の同意だけで提供を可能としている。これは世界基準でもある。改正案の土台を作った河野太郎衆院議員は「これで年間、300人のドナーが現れる」と予測する。ドナー本人の提供意思の確認がなくなると、現行法の「15歳以上」というドナーの年齢制限も基本的にはなくなり、子供の移植にも道が開かれる。

 現行法の枠組みを変えずに提供の年齢制限を「12歳以上」に引き下げる改正案もある。だが、これではドナーを大きく増やすことは難しい。

 改正案はともに平成17年の夏に提出されたが、衆院解散で即日廃案となり、18年3月に再提出された。しかし、本格的審議は一度も行われず、たなざらしにされたままだ。

 改正案は議員立法である。本格的審議に入らず、「時間がとれないから」と先送りにするのは、国会議員の怠慢ではないだろうか。

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