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手根管症候群 手のしびれ要注意

2007.10.10 08:52

 夜中に手のしびれで目が覚める。朝起きると指がじんじんしびれている−。こんな自覚症状から発見され、患者が徐々に増えているのが「手根管(しゅこんかん)症候群」だ。関西電力病院(大阪市)整形外科部長で、手の外科センター長の藤尾圭司医師に、原因や治療法について聞いた。(武部由香里)

 手のしびれの3大原因として、脳血管障害、糖尿病、頸椎(けいつい)性のものが挙げられる。一方、これらとは別に最近、患者数が増えているのが手根管症候群だ。

 手根管とは、手首の手のひら側にある靱帯(じんたい)と骨で囲まれた“トンネル”のこと。この中を、手首を動かしたり、指を曲げたりする働きがある腱(けん)と一緒に、正中神経が通っている。靱帯が炎症を起こして分厚くなり、正中神経を圧迫すると、手の指がしびれたり、痛んだり、指の動きが悪くなったりする。この状態を手根管症候群と呼び、専門は整形外科だ。

 藤尾さんは「医学的にはまだ検証されていませんが、更年期や妊娠後期など、女性ホルモンの急激な増減期に多く発症します」という。今後、増加すると懸念されているのが、パソコンのキーボードの打ち過ぎなど手や指の使い過ぎによる腱鞘(しよう)炎が原因となるものだ。欧米では労災として認定されるケースがあり、社会問題にもなっているという。いずれも、患者は圧倒的に女性の方が多い。

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 手根管症候群では、しびれる部分は、親指と人さし指、中指、薬指。「中でも薬指は親指側だけがしびれるという特徴があります」という。

 そのうち、女性ホルモンが影響している場合は、昼間より眠っている間にしびれることが多く、明け方にしびれが強くなる。一方キーボードの打ち過ぎによる場合は「手や指を使い続けることで重症化します」。

 重症になると、手のひらの親指側の膨らんでいる部分(母指球)が萎縮(いしゅく)してくる。母指球があることで、親指が他の指と向き合う、人間ならではの特徴的な手指の動きとなり、細かい作業ができる。こうした役割のある母指球が萎縮すると、鉛筆を落としたり、OKのサインのような指の形などもできにくくなり、日常生活に支障が出てくる。

 藤尾さんは「母指球の筋肉が完全に萎縮すると、回復するのに1年以上かかったり、回復しないケースもあります。早めの治療が必要です」と指摘する。

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 手根管症候群は神経伝達速度で診断される。専用の装置で皮膚の上から微弱な電流を流し、神経を流れるスピードを測定するが、「2〜3割遅れていると、要注意です」と藤尾さん。また関電病院では、超音波を使った画像診断で、腱鞘の疲労状態もみる。

 治療は、軽度の場合は手首に添え木をして、動かさないようにするだけで軽快することが多い。安静にしても効果がないときは、ビタミンB12の服用やステロイド剤の注射をする。重度の場合は、手術を行う。

 手術では、正中神経に触れたらすぐに分かるように局所麻酔を行い、靱帯を切って、神経を圧迫から解放する。「従来は手首から手のひらにかけて数センチ切り開き、術後もギプスが必要でした。今は、内視鏡を使ったり、小切開で済む手術法を行っており、術後も包帯だけです。包帯は1週間ほどでとれます」。手術は日帰りで、負担が軽減されてきているという。

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