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【コラム・断】全席禁煙というけれど
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東海道・山陽新幹線の新型車両(N700系)は「全席禁煙」が売り物である。しかし、これは名ばかりで喫煙ルームの近くの席を購入すると煙たくって仕方がない。
新型車両は東京発の場合、3号車の前方、7号車の後方、10号車の後方と15号車の前方に喫煙ルームがある。一応、二重扉のようになってはいるが、スモーカーの出入りが多いと、完全に煙を遮断することはできない。先日、東京から大阪に向かうため、旧型車両なら禁煙車である8号車の前方に座っていたら、なにやら煙たいのでびっくりした。7号車の後方に喫煙ルームがあり、そこから煙が流れ込んできていたのだ。
告白すれば40歳まで私は愛煙家だった。医師に「狭心症」と診断されたのをきっかけにタバコをやめた。「タバコをとりますか、命をとりますか」と言われれば「命をとります」というしかない。タバコを断って、かれこれ8年になる。
だから愛煙家の気持ちもわからないではない。東京から博多までは5時間もかかる。「全席禁煙」なら喫煙ルームは必要だろう。全面禁煙にしろとか、そこまで固いことは言わない。
JRに言いたいのは、喫煙ルームをつくる以上は煙の漏れないものをつくれ、ということだ。新型車両で喫煙ルーム付近に座ると、号車の自動ドアが開くたびにモアーッと煙が充満してくる。これでは全席禁煙の意味がない。
乗客の中には妊婦もいれば喘息(ぜんそく)の患者もいるはずだ。全席禁煙だからと安心して乗ったところ、煙がモアーッでは気の毒だ。煙の漏れないような工夫をJRには求めたい。(スポーツジャーナリスト・二宮清純)