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「NPO法人日本子守唄協会」活動10年 「母の愛」をいま一度
「子守唄」をキーワードに母と子の絆(きずな)、命のつながりの大切さを伝えてきた「NPO法人日本子守唄協会」(西舘好子理事長)の活動が今年10年目を迎え、6月14日、東京・両国の江戸東京博物館ホールで記念公演が行われる。子供への虐待や育児放棄、親殺し、子殺しといった殺伐とした事件が続く世の会だからこそ、「母の愛」をもう一度見つめ直してほしい…。この10年で、そんな“心の輪”が着実に広がり始めた。(喜多由浩)
西舘さんには忘れられない光景がある。約5年前のことだ。東京・山谷の廃校になった小学校でホームレスの人たちを集めて子守唄の会を開いた。土砂降りの中、集まったのは約250人。お弁当付きだったので、実はそれが“目当て”だったかもしれない。
ところが、出演者が子守唄を歌うと、最初は騒いだり、わめいたりしていた人たちが、膝(ひざ)小僧を抱えて体をふるわせている。すすり泣きも聞こえてきた。「『田舎(故郷)に帰りたくなっちゃったよ』という人もいた。感動的な光景でしたよ」と西舘さん。子守唄には母の愛が込められている。その先には懐かしい家や故郷があり、ご先祖さまもいる。
最近の若いママたちは、子守唄を知らない。それどころか赤ちゃんの抱き方やあやし方もよく分からないという。育児に疲れ切り、わが子を虐待してしまうお母さんも後を絶たない。でも子供の目を見つめながら子守唄を歌ってみると、不思議に優しい気持ちを取り戻すことができる。そんな「力」があるのだ。
協会の活動も、行政やさまざまな団体の要請を受けて、「親学」や「命」「心」といったテーマが中心になってきた。茨城県では昨年から、子守唄の指導員を公的に養成する活動もスタート。全国の支部の数も約20カ所に広がった。
記念公演では、子守唄研究の第一人者、詩人で昨年3月に亡くなった松永伍一さんをしのんで、俳優の田中健さんや女優の藤村志保さんらが思い出を語る。「すべての人に母がおり、命をつないでいる」というのが松永さんの遺言だった。
西舘さんは、「いま『母性の再生』をしなければ、日本はダメになってしまう。次の10年でそれを“大きな波”にしたい」と話している。
記念公演の問い合わせはTEL03・3861・9417日本子守唄協会へ。

