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格別の思いをステージとCDに ソプラノ歌手・幸田浩子 (1/2ページ)
若手ソプラノのトップランナーと目される幸田浩子が2月1日、東京・池袋の東京芸術劇場で行われる日本フィルハーモニー交響楽団のサンデーコンサートに出演する。18日にはセカンドアルバムも発売。玉を転がすような高音で操る超絶技巧のコロラトゥーラも、詩的な広がりをもったふくよかな声の表現も可能にする人気の歌姫に、公演や新アルバムへの思いを聞いた。(谷口康雄)
ステージに登場した瞬間、聴衆の耳目を一身に集める真の舞台人。清冽(せいれつ)で情趣に富んだ歌声は、ローマ歌劇場(イタリア)、シュツットガルト州立歌劇場(ドイツ)をはじめ、ヨーロッパの名門オペラハウスが高く認めるところだ。
「歌は、作品に書かれた世界を一度、私の中に取り込んで、改めて私の中から出てくるもの。音譜に示された感情や情感は、私の体を通して歌となって生まれることで、私自身そのものになっていると感じています」
イタリアのボローニャに留学、さらにウィーンで学んでオペラの本当の面白さ、醍醐味(だいごみ)、奥深さを肌で感じた。歌にも芝居にも通じた芸達者が集まるウィーン・フォルクスオパーの専属歌手となり、さらなる奥義を学んだ。日本の新国立劇場、所属する東京二期会で披露した「ばらの騎士」のゾフィー、「ナクソス島のアリアドネ」でのツェルビネッタは、その成果を示すものとして高く評価された。
2月1日のコンサートでは、モーツァルトの「魔笛」から夜の女王、バーンスタイン「キャンディード」からはヒロインのクネコンデと、内外の名舞台のハイライトを再現する。「ステージは、アリアに託して自分自身を主張し、すべてを外にさらけ出す場所。解放感がたまらない」と語る。
さらに18日にリリースされるセカンドアルバムは、「愛と祈り」をテーマにじっくりと歌い上げた。カッチーニ、バッハとグノー、マスネにマスカーニと「アヴェ・マリア」をタイトルにした小品を並べ、静謐(せいひつ)な世界に立ち現れる女性の内面をしっとりと歌い上げる。
「女性はさまざまな側面を持ち合わせ、そのすべてが真実の心を表していると思います。愛らしい恋する心を映したアルディーティの『くちづけ』や、清らかなヴィラ=ロボスの『ブラジル風バッハ』にも心が動かされます」と一つひとつに深い思いがこもる。
共演は名手ぞろいのイタリア合奏団。さらにイタリア・ポップス界の重鎮、ベッペ・ドンギアが、幸田の美声にほれ込んで書き下ろし、大切なレパートリーとなっている「カリヨン」をピアノで支える。「声高に訴えることなく、深く強い思いを静かに歌い上げる宝物」と、こちらも格別の思いに満ちている。
「どれか1曲だけでも、心に残り、愛してくだされば」と幸田。CD発売を記念してのリサイタルも2月28日に津田ホール(東京・千駄ケ谷)で予定されている。




