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ベトナム人女性、いじめ乗り越え歌手デビュー
ベトナム戦争の戦火を逃れて来日した両親のもとで生まれ育ち、国籍を理由にしたいじめを乗り越えた山本有梨さん(21)が本名のファム・ティタン・ヒエンとしてCDデビューするとともに15日夕、大阪市内で初ライブのステージを踏む。
ヒエンさんの両親は、ベトナムから来日し、滋賀県の縫製工場などで働きながら、愛情たっぷりにヒエンさんら4人の子供を育てた。しかし、ヒエンさんは中学時代、国籍を理由に一部の先輩からひどいいじめを受けた。
「私がベトナム人なのは父母のせいだ」。そう思うようになったヒエンさんは家族からも孤立。一度は自殺まで考えたが、そのとき心の支えになったのが、幼いころから好きだった歌だった。
高校の文化祭のステージで披露したゴスペル。ヒエンさんが歌い終わると、会場から大きな拍手が沸き起こった。
「みんなが国籍なんか関係なく、私の歌に感動してくれている。そんな感謝の気持ちでいっぱいになりました。国籍を意識していたのは私の方だったんです」
ヒエンさんは、「今度は悩んでいる人を歌で勇気づけたい」との思いで今春に受けた「ウメダFM」の番組テーマ曲オーディションに合格した。
当初は1曲の録音だけのはずだったが、この番組で関西の女性の活躍を紹介し続けている企画会社「もっと」社長の正木ゆきさん(40)が「歌手にかける夢をいっしょに実現したい」と共鳴した。
正木さんは社内に音楽事業部を設立してヒエンさんの歌手デビューを支え、初のCD「KAZE(風)」が完成。ヒエンさんののびやかな高音がさわやかに響く1枚に仕上がった。ヒエンさんは「夢はかなう。辛いことは乗り越えられる」というメッセージを送りながら、新しい夢に向けて第一歩を踏み出す。
初ライブは15日午後6時半から、大阪市北区のライブハウス「CLUB MANIAC japan」で開催。ヒエンさんは花柄のアオザイ姿で舞台に立ち、一部の曲をベトナム語で歌う。当日券は4000円(食事付き)。

